前回の「西安〜ウルムチ編」に引き続き、古代東西交易路シルクロードをさらに西へと進む第2弾、「ウルムチ〜サマルカンド編」の鉄道旅動画をYouTubeに公開しました!
今回は国境を越え、カザフスタン、ウズベキスタンへと至る壮大な中央アジア横断ルートです。今回の記事では、この動画をどんな技術で作ったのか、そして映像の見どころも含めて軽くご紹介します。
目次
- 1. Google Earth Studio — 3D空撮映像
- 2. Remotion (React + TypeScript) — UIオーバーレイ
- 3. VOICEVOX(青山龍星)— AI音声ナレーション
- 4. Google Gemini(Imagen 3)— 画像アセット・サムネイル背景
- 5. Python — データ処理
どんな動画?
前作の終着点である中国のウルムチを起点とし、国境を越えてカザフスタン(アルマトイなど)、ウズベキスタン(タシケント)を経由し、青の都と呼ばれるオアシス都市サマルカンドへと至る全9駅・約390秒の紹介動画です。
Google Earth Studioによるダイナミックな3D空撮映像をベースに、現在地を示す「ライブトラッカーマップ」や、各駅の解説カード、進行タイムラインなどをリアルタイムに重ねています。ナレーションはAI音声合成で、電車の進行やカメラの動きに合わせたタイミングで流れます。
▶ YouTube動画はこちら:
使った技術スタック
見た目は旅動画ですが、内側は複数の最新技術を組み合わせた自動生成パイプラインになっています。
1. Google Earth Studio — 3D空撮映像
鉄道ルートをカメラパスとして読み込ませることで、高精細な3D空撮動画を自動レンダリングしています。地上からは絶対に撮れない「神の視点」で天山山脈や国境の門、サマルカンドの街並みを飛んでいく映像が仕上がります。今回は実際の線路にできるだけ沿う形で飛行ルートを補正しました。
2. Remotion (React + TypeScript) — UIオーバーレイ
背景映像の上に重なるUI部品は、すべて Remotion というライブラリで作っています。
- ライブトラッカー(PIPマップ): 現在の列車位置を2D地図上に赤い光点で表示。フライトカメラの位置と完全に同期して動きます。
- 駅カード: 各駅の名称(日本語・英語)や解説テキストをポップアップ表示。
- 進行タイムライン: 画面下部に全9駅をプロットし、汽車アイコンが進行に合わせてスライドします。
3. VOICEVOX(青山龍星)— AI音声ナレーション
各駅の解説ナレーションは、日本語音声合成エンジン VOICEVOX の「青山龍星」ボイスで生成しました。前作同様、各駅の表示タイミングと完全に同期させて配置しています。
4. Google Gemini(Imagen 3)— 画像アセット・サムネイル背景
YouTubeのサムネイル背景画像や、途中に挿入されるイメージイラスト(国境駅での台車交換シーンなど)は、Google Gemini の画像生成モデル Imagen 3 を使用してイメージに合わせたグラフィックを出力しています。
5. Python — データ処理
Google Earth Studio から書き出したカメラ位置データと、検証用マップのデータを Python スクリプトで処理し、動画のフレーム数に合わせた座標配列JSONを生成しています。
制作の流れ
- カメラルートの設計と3D動画のエクスポート
- カメラルートとは:カメラが3D空間内をどのように飛ぶかを示す「飛行経路(緯度・経度・高度)」と、カメラがどこを見つめるかという「注視点(POI)」のことです。今回は実際の線路に沿って綺麗に曲がりながら進むルートをあらかじめデータファイルとして設計しました。
- GESで3D動画を書き出せる理由:Google Earth Studio(GES)は、Google Earthが持つ膨大な3D地形モデルや高解像度の衛星写真をブラウザ上で利用できるアニメーションツールです。ここに設計したカメラルートをインポートすることで、Google Earthの広大なバーチャル3D空間の中を、実際にドローンやヘリコプターで空撮したかのような超高画質な3D飛行映像としてレンダリングし、動画として書き出すことができます。
- 位置データからフレームごとの座標配列JSONをPythonで生成
- 路線周辺の2Dマップ画像と位置同期データを準備
- 各駅の情報と表示フレーム区間を定義
- VOICEVOXで駅ナレーション音声をバッチ生成
- Remotionで全レイヤーを統合してMP4にレンダリング
今後の展開
ウルムチから西への国際線ルートが無事に完結しました。シルクロードはさらに西へと続いていますので、次回はカスピ海を越えてトルコのイスタンブールへと至るルートなどを検討したいと考えています。
動画に興味を持っていただけた方は、ぜひチャンネル登録や高評価をお願いいたします!
制作環境: Google Earth Studio / Remotion 4.x / VOICEVOX / Python 3.12 / Node.js 20 / FFmpeg


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