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AIと最新技術で作る「シルクロード鉄道の旅」動画を公開しました

AI・生成AI

西安からウルムチまで——古代シルクロードの東半分、約3,600kmを鉄道で旅する映像作品をYouTubeに公開しました。今回の記事では、この動画をどんな技術で作ったのか、そして映像の見どころも含めてご紹介します。


どんな動画?

シルクロードとは、古代中国とローマを結んだ東西交易路です。その出発点だった古都・西安を起点に、河西回廊を西へ西へと進み、タクラマカン砂漠の北縁をかすめてウルムチへ至るルートを、現代の鉄道(西蘭烏鉄路・蘭新鉄路など)でトレースした紹介動画です。

全17駅を巡る約210秒の動画で、Google Earth の3D空撮映像をベースに、現在地を示すライブトラッカーや駅解説カード、進行タイムラインなどをリアルタイムに重ねています。ナレーションはAI音声合成で、各駅に合わせたタイミングで流れます。

YouTube動画はこちら: https://youtu.be/k69ldDeOsXQ


使った技術スタック

見た目はシンプルな旅動画ですが、内側は複数の最新技術を組み合わせた自動生成パイプラインになっています。

1. Google Earth Studio — 3D空撮映像

鉄道ルートをKML形式で定義し、Google Earth Studio にカメラパスとして読み込ませることで、衛星画像から生成した高精細な3D空撮動画を自動レンダリングできます。地上からは絶対に撮れない「神の視点」で河西回廊や天山山脈を飛んでいくシネマティックな映像が、わずか数時間で出来上がります。

2. Remotion (React + TypeScript) — UIオーバーレイ

背景映像の上に重なるUI部品は、すべて Remotion というライブラリで作っています。RemotionはReactコンポーネントをそのまま動画フレームとして書き出せるツールで、複雑なアニメーションやリアルタイムデータ連携も通常のReact開発と同じ感覚で実装できます。

今回のオーバーレイは主に3つです。

  • ライブトラッカー(PIPマップ): 現在の列車位置を2D地図上に赤い光点で表示。フレームごとの緯度経度データをメルカトル投影で線形変換し、地図画像上のピクセル座標にマッピングしています。3D空撮カメラとのズレなく追従します。
  • 駅カード: 通過・到着駅の名称(日本語・英語)、標高、解説テキストをポップアップ表示。駅ごとに表示フレーム区間を定義し、フレームカウントで切り替えます。
  • 進行タイムライン: 画面下部に全17駅をプロットし、汽車アイコンが進行に合わせてスライドします。

3. VOICEVOX(青山龍星)— AI音声ナレーション

各駅の解説ナレーションは、ローカルで動かせる日本語音声合成エンジン VOICEVOX の「青山龍星」ボイスで生成しました。APIにテキストを投げるだけで高品質なWAVファイルが返ってくるので、17駅分の音声をバッチ処理で一気に作成。Remotion の <Sequence> タグで各音声を正確なフレームタイミングに配置しています。

4. Google Gemini(Imagen 3)— サムネイル背景

YouTubeのサムネイル背景画像は、Google Gemini の画像生成モデル Imagen 3 をプロンプトから生成しました。「シルクロード、砂漠、シネマティック、夕日」といったキーワードで、雰囲気のある背景グラフィックを出力しています。

5. Python — データ処理

Google Earth Studio からエクスポートしたKML・GPXデータを Python(pandas, gpxpy等)で処理し、動画のフレーム数(6,300フレーム)に合わせた座標配列JSON(train_positions.json)を生成しています。このJSONがあることで、Remotion側は単純に trainPositions[frame] で現在位置を参照できます。


制作の流れ

大まかな手順をまとめるとこうなります。

  1. KMLでカメラルートを設計 → Google Earth Studio で3D動画をエクスポート
  2. GPX/KMLデータからフレームごとの座標配列JSONをPythonで生成
  3. 路線周辺の2Dマップ画像と境界ボックス(map_info.json)を準備
  4. 各駅の情報と表示フレーム区間(startFrame / endFrame)を定義
  5. VOICEVOXで駅ナレーション音声をバッチ生成

6. Remotionで全レイヤーを統合してMP4にレンダリング

見どころ

単なる「地図に路線を引いた動画」ではなく、3D衛星映像でスケールを実感しながら、駅ごとの歴史背景(長安・敦煌・嘉峪関・トルファンなど)もナレーションで学べる構成になっています。

河西回廊の細長い地形、砂漠の中をまっすぐ走る鉄道、天山山脈の稜線——地上からは体験できない視点で、古代から続く「道」を追体験できると思います。


今後の展開

今回は西安〜ウルムチで完結しましたが、シルクロードはここで終わりではありません。次作の候補として、ウルムチから天山山脈を南下して最西端のカシュガルを目指す天山南路(南疆鉄道)ルートを検討中です。タクラマカン砂漠の圧倒的なスケールと、クチャ(亀茲国)・カシュガル(疏勒国)といったオアシス都市の歴史は、映像的にも非常に魅力的なルートです。

興味を持っていただけた方は、チャンネル登録・高評価をいただけると励みになります!

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制作環境: Google Earth Studio / Remotion 4.x / VOICEVOX / Python 3.12 / Node.js 20 / FFmpeg

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