第1章: はじめに
この記事でわかること
こんにちは!ExcelのPower Queryを使ったデータ分析の世界へようこそ。今回は、Power Queryの強力な機能の一つである「クエリの結合」に焦点を当て、複数のテーブルを連結し、新しいテーブルを作成する方法を詳しく解説します。例えば、複数の倉庫からの在庫データを一つのテーブルにまとめ、効率的に分析したい場合に非常に役立つテクニックです。私が作成した動画を交えながら、この方法をマスターすれば、あなたのデータ処理スキルは飛躍的に向上するでしょう!
想定読者
- Excelで複数のテーブルを統合する作業に時間がかかっている方
- 複数のExcelファイルからのデータを結合したい方
- Power Queryの「結合」機能の具体的な使い方を知りたい方
- データ分析の前処理を効率化したいビジネスパーソン
- 動画で視覚的にPower Queryの操作を学びたい方
第2章: パワークエリの結合って何?
Power Query(パワークエリ)とは?
Power Query(パワークエリ)は、Excelに搭載された「データの取得と変換」のための強力なツールです。
一言でいえば、「データの下ごしらえ」を自動化する仕組みです。複数のExcelファイルやCSV、データベースなど、さまざまなソースからデータを取り込み、不要な列の削除、並べ替え、列の結合や分割などを、マウス操作だけで実行できます。
従来のExcelでは、こうした作業を関数やマクロで行う必要がありましたが、Power Queryを使えば、複雑な処理を「ステップ」として記録・再利用できます。
たとえば「毎月の売上データを読み込んで加工する」ようなルーチン作業も、ボタン1つで更新可能になります。
また、Power Queryの最大の魅力は、「再現性と自動化」です。
一度設定した処理は、元データが変わっても再読み込みするだけで最新状態に反映されます。
この仕組みにより、作業時間を大幅に短縮し、ヒューマンエラーを防ぐことができます。
クエリの結合で何ができるの?
「クエリの結合」とは、Power Queryにおいて、複数のテーブルを縦方向に連結する機能です。データベースにおけるUNION ALL操作に似ており、例えば「第1倉庫の在庫データ」「第2倉庫の在庫データ」といった複数のテーブルを一つにまとめ、全体の在庫状況を把握するといったことが可能になります。これにより、異なるソースから得られた同種のデータを一元化し、より大規模なデータセットとして分析するための基盤を簡単に構築できます。
クエリの追加(縦結合) — カラム毎に整理し、共通しない列も結合できる
Power Queryの「クエリの追加」は、複数のテーブルを縦方向(行方向)に連結する機能です。
Excelでいう「コピーして下に貼り付ける」操作を自動化するイメージです。
例えば、各支店ごとに作成された売上表や、月ごとの集計表など、同じ項目(列)構造を持つデータをまとめたいときに最適です。
この機能の大きな特徴は、列名が完全に一致していなくても自動で対応づける点にあります。
つまり、一部のテーブルにしか存在しない列(例えば「備考」列など)があっても、Power Queryが自動で補完してくれるため、全体のデータ統合が非常にスムーズです。
実際の操作では、Power Queryエディターを開き、「クエリの追加」を選択するだけで、複数のテーブルをまとめることができます。
追加後に不要な列を削除したり、列名を整えることで、分析やレポート作成に使いやすい一枚の表が完成します。
フォルダ内の複数ファイル内のシート結合 — 基準ファイルの列構造を自動的に判定
Power Queryの「フォルダ結合」機能を使うと、同じ形式のExcelファイルが複数ある場合に、自動で中身を一つのテーブルにまとめることができます。
例えば、支店ごとに保存された月次報告ファイルや、営業担当者ごとのデータブックを統合したい場合に非常に有効です。
この機能では、指定したフォルダ内のすべてのファイルを自動的に読み込み、基準ファイル(最初のファイル)の列構造に従って結合します。
したがって、余分な列や欠落列があってもPower Queryが自動で判定し、整った形で統合してくれます。
動画内でも紹介している通り、ポイントは「ナビゲーターでExcelファイルを選択した後、“データの変換”をクリックする」ことです。
これにより、Power Queryエディターでファイル全体の内容を確認しつつ、不要な列を削除したり、列の展開操作を行うことができます。
最終的には、複数ファイルの中身を一つの整った表としてExcelに戻すことが可能になります。
1つのファイル内の全シート結合 — シンプルな縦方向の統合に最適
「1つのExcelファイルに複数のシートがあり、それぞれが同じ構造のデータを持つ」場合、Power Queryではこれらを自動で縦結合できます。
この機能を使えば、たとえば「1月」「2月」「3月」といったシートを一括でまとめ、全期間のデータを一つのテーブルに統合できます。
仕組みとしては、Power Queryがファイル内のすべてのシートを検出し、それぞれを展開した上で縦方向に連結します。
そのため、すべてのシートが同じ列構造であることが前提条件になります。
異なる列名やデータ型が混在していると整合性が取れないため、事前に統一しておくとよいでしょう。
動画内の例では、Data列を展開してすべてのシート内容を結合し、不要な見出し行を削除するステップまで解説されています。
このプロセスにより、複数シートに分かれた情報を1クリックで最新データとして更新できる仕組みが完成します。
クエリのマージ — 共通の列をキーにして2つの表を結合する
「クエリのマージ」は、Power Queryにおける横方向(列方向)の結合機能です。
2つの異なるテーブルに共通する列(キー列)を指定し、その値が一致する行同士を結合します。
データベース用語で言えば、**JOIN(結合)**にあたります。
たとえば、売上明細テーブルと顧客マスターテーブルを「顧客ID」で結合することで、売上データに顧客名や住所情報を付与できます。
これにより、より意味のある分析やレポート作成が可能になります。
実際の操作では、Power Queryエディターで「マージ」を選び、
1つ目のクエリ(例:売上明細)と2つ目のクエリ(例:顧客情報)を選択。
共通する列を照合列として指定します。
動画では、テーブルのプレビューを確認しながら照合設定を行い、マージ後に展開操作で必要な列を取り出しています。
この「マージ+展開」の組み合わせにより、Power Queryをデータベースのように扱う柔軟な結合操作が実現します
マージのくわしい解説
マージの種類は全部で6種類(「左外部」「右外部」「完全外部」「内部」「左アンチ」「右アンチ」)あります。
ここで行なうのは「左外部」になり、左(1つ目のクエリ)のテーブルを全て残して、右のテーブルから一致するデータを追加する操作になります。
逆に左アンチにすると、左テーブルにあって右テーブルにない行を抽出することになり、左側が商品、右側が販売データだとすると、販売実績のない商品が抽出されることになります。
もっと知りたい方は下の関連資料を参照ください
📘 関連資料
Power Queryの「クエリのマージ」6種類の違いを図解でまとめたPDFはこちらから:
👉 [Power Queryクエリのマージ完全ガイド(PDF)](https://life-and-job.com/wp-content/uploads/2025/12/Powerquery-Merge-Guide.pdf)
第3章: Power Query実践!クエリの結合手順(動画解説付き)
ここでは、Power Queryでクエリを結合する具体的な手順を動画で解説します。
クエリの追加(縦結合)
動画はこちらから:
- ExcelのPower Queryで、複数シートを縦方向に結合する手順を紹介します。
- ナビゲーターでExcelファイルを開き、「データの変換」をクリックします。
- 注意:シートを直接選択しても結合はできません。
- Power Queryエディターを開くと、すでにシートがまとめられた状態になります。
- 不要な列(Data列以外)を削除し、Data列の展開ボタンから内容を展開します。
- 1行目をヘッダーとして指定し、2つ目以降のシートで重複した見出し行を削除します。
- 列の整形が終わったら、「Excelに読み込む」で完了です。
- 単一ファイル内の複数シートを自動で縦方向に統合できる便利な手法です。
フォルダ内の複数ファイルのシート結合
動画はこちらから:
- ExcelとPower Queryを使って、フォルダ内にある複数のExcelファイルを自動で結合する方法です。
- Power Queryエディターを開いて、データのインポート準備を行います。
- クエリ一覧と設定パネルで、ファイル構造を確認できます。
- 各ファイルから売上データを読み込み、データ型を正しく設定することが重要です。
- 型を設定すると、計算・フィルタリング・分析が安定します。
- データがExcelに展開されたら、結合対象のクエリ(例:顧客データ)も接続します。
- 「結合の作成のみ」を選択しておくことで、後で統合が容易になります。
- マージ設定で照合カラムを指定し、複数ファイルのデータを統合します。
- 結合後は、Power Queryの適用ステップから確認・編集可能です。
- これでフォルダ内のすべてのExcelファイルが自動的に統合され、更新もワンクリックで再実行できます。
1つのファイル内の全シート結合
動画はこちらから:
- ExcelのPower Queryで、1つのブック内にあるすべてのシートをまとめる方法を解説します。
- 各シートが同じ列構造であることを前提に、Data列を展開して縦方向に結合します。
- 異なる列名やデータ型が混在している場合は、事前に統一が必要です。
- 結合後、不要な見出し行を削除して整形します。
- 結合結果をExcelシートに戻せば、全シートのデータを一括管理できます。
- この方法により、ブック構造が固定化されたレポートでも効率よく最新化できます。
クエリのマージ(横結合)
動画はこちらから:
- 2つの異なる表に共通する列(キー列)をもとに、横方向へ結合する方法です。
- 例:売上明細と顧客マスターを「顧客ID」で結合する。
- Power Queryで「マージ」を選び、2つのクエリを指定します。
- 照合列を選び、「マージの種類(左外部結合など)」を設定します。
- 結合後は展開アイコンから必要な列だけを取り出します。
- この操作により、1つのテーブル内で必要な情報を統合し、分析の基盤が整います。
- Power Queryでは複数のマージも連続適用でき、データベース的な管理も可能です。
第4章: まとめ
今回は、Excel Power Queryにおけるさまざまなクエリの結合機能を使って、複数のテーブルを効率的に統合する方法を解説しました。一元的に管理・分析したい場合に、この機能は非常に強力なツールとなります。私が作成した動画と合わせて、ぜひこの強力な機能を日々のデータ処理に役立ててください。データ分析の前処理が劇的に効率化され、より価値のあるインサイトを見つけ出すことができるようになるでしょう。もし今回の内容が面白いと思っていただけたり、何かアドバイスなどありましたら反応して頂ければ幸いです!


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